金沢・法島「玉響」 噂に聞きしお店に物見高く,あまり元気がなかった梅雨の仕舞いに出かけた


法島から十一屋にあがる坂の途中に仄かに灯がともる「玉響」
−−−−−−−−−−−−−−
正直に云うと,前職のときは交際費を持っていて,この地,金沢にも何回か仕事で来ていたのである.だから1次会は料亭あるいは割烹,2次会はお姉さんのおられるラウンジやクラブなんかにお客様をお連れした.そんなに沢山行った訳ではないのだけど.お会計のときに名刺を渡して,送られたきた請求書を経理にマワすことがボクの仕事でありました.まあメーカーの技術職だから製品1台売れて取れる粗利(涙)は知悉しておりましたので,そんな交際費を個人の楽しみに流用する気にはとてもならなかったけどね.今は昔の話.

そんなラウンジでお財布係に囁かれるのが,「あの店がいい」,「この店がいい」情報であり,勿論,連れていけというコトなのでしょうが,聞き流す中にも記憶だけ残るコトもある.また,いい店が多いのも事実.この「玉響」も,片町のお姉さま方情報のひとつだったのだ.

そんな訳で,最近,新しい店の開拓意欲が下がり続けるなか,相変わらずの来客頻度なのでネタ切れのリスクが顕在化してきた,という訳で,梅雨明けの前に法島の「玉響」を思い出して出かけてみた.

実は寺町台地のうえに住むようになってから,十一屋小学校の裏と聞く「玉響」の場所をみに行くのだけど,どうにも見つからない.謎だったのだ.今回,電話予約をしてwebで地図を見たのだけど,辿りつく自信が今ひとつない,という心細い状態だったのだけど,出かける当日の朝,犀川沿いから法島の方へランニングした際に,法島から十一屋に抜ける坂の途中に発見したという不思議.

さて暖簾をくぐって,予約のカウンターに座った.カウンター内にはアルバイトを含め,お給仕の女性が大勢で賑やか.大きな窓の向こうは,片町のネオンを左手,法島の崖の竹林を右手に,犀川沿いの光が続いており,風情あり(もっとも,同行の友人は片町が見えると台無し派).ここはカウンターに意味がある,とは皆さん仰せなのだけど,大いに納得.

料理はコースかアラカルトの選択.今回はアラカルトで幾品か頼んで呑んだ.魚が辛い時期なのだけど,鯵の刺身は美味しく頂きました.あと水茄子,豚角煮,揚河豚のマリネ風のもの,などなど.なんとなく梅雨の疲れる時期だったので,玉響さんの責じゃなくて申し訳ないのだけど,元気な記憶が足りない結果.まあ軽くひっかけた呑み方だったつもりなのだけど,お支払いは仲々でしたぞ.という訳で,つまらん呑み会に使うのではなくて,ここぞ,という使い方ね,と納得して(何を!)帰った雨の夜でした.


玉響とは玉と玉の仄かな擦音,なのだけど,        大きなカウンタはいいな.景色は小立野のほう
光のほうがユラ,だったような感じ