昨冬は何回か過労・飲酒・睡眠障害のようなことで、気分が優れなかった。だからあまり走ることはできなくて、山に登る程度。なにか澱のようなものが積もっていくような鬱陶しい日々だった。だから気持ちはとても内向きで、勝手に拗ねているような感じだった。
4月にはいって、そんな気分の殻がすっと薄くなり、殆ど消えてしまったことに気がついた。ふっと鶴来の白山比�v神社に参拝したくなり、走ってみた。春へのギア・チェンジのような気持ちで。
道すがら遅咲きの桜もあり、古い往還を辿るような感覚は楽しい。
とくに静かな鶴来の街にはいると、何故か懐かしい気持ちになる。確かに昭和40年頃に訪ねた記憶があって、そんなことが芳香を放っているのだろう。軽いトリップ感がある。だから体を使って参拝に出かけ、そして帰る。ただ、それだけのことなのだけど、一つ一つのプロセスが楽しく、夕暮れのなかで過ごした時間が茜色になっている。
そうやって、またいつかは思い出すかもしれない記憶を意識の深い底に放り込んだ。
(自宅から往復29kmのランニング。また行きたいな。)