金沢マラソン:金沢の路をあじわう


 昨春より渓流に入りはじめた。それから、山やランニングに使う時間が激減した。渓流釣りの時期が終わった後は山。あまり走らなかった。ボクのなかで何かが変容している。

 それでも金沢マラソンには出たい気持ちがあった。市内の路を走る、ということに惹かれた。でも、走れるのだろうか。体重も4kgくらい、戻っている。結局居直って、渓流釣りが終わっても、山登りだけ。市ノ瀬からチブリ尾根で別山に登り、4時間切ったので、体力的には大丈夫と判断した。

 とは云え、前回の初マラソン、2年前の湘南マラソン、では何とか4時間を切るくらいだから、今回は4時間半くらいが妥当だろうな、と皮算用。6分30秒/km平均。だからスタートからは6分前後/km、後半は7分前後/kmかなあ、って考えた。

 結果的には、全くその通り。ただし、4時間半には届かず、4時間40分。前半は2時間5分くらい、後半は2時間35分くらい。心肺能力、体力的には全く問題なく、走力そのものが低下していることを実感した。前回は5分30秒弱/kmで30kmまでは軽快に走ることができ、最後は失速して4時間をわずか数秒切るという結果。今回は6分弱/kmで前半を走ったが、半分のところで走力を失った感じ。あとは棒になった脚と付き合っての20km強。城北から先の変化に乏しい「田園地帯」を走るのは辛かったなあ。

 結局、走る愉しさは走力そのもの、ということを実感したレースで、考えるところ多し、であった。最初から最後まで、そんな感じで感情移入できなかったのでテンションは低めだったのだけど、「走る快楽」を取り戻したいな、と思ったのも事実。少し考えなきゃ、と思った。

 天気は雨交じりだったのだけど、11月の雨天としては奇跡的に暖かい。レース前、レース後に体を冷やすことを恐れていたのだけど、大丈夫だった。(本当は10月にやって欲しい)

 コースについては前半でハイライトが出尽くす感じ。知らなかった東金沢方面の古い町並みが良かった。まさに、金沢の路をあじわう、感じだった。ただ後半の単調さが恨めしい。仕方が無いけどね。

 特筆すべきは円滑な運営と暖かい声援。手洗いや給水でのストレスは全くなかった。また運営ボランティアの若い学生達の笑顔をみていると、未来が何だか明るいような気がして、老年期にさしかかったボクも頑張らなきゃ、と思ったのも事実。金沢はなんとなく冷ややかなな感じがあって(だから快適に暮らせている部分もある)、マラソンに対して無関心かなあ、と思ったが、多くの地区での盛んな声援に驚いたし、感謝もした。びっくりしたなあ。

 そんな訳で、自己責で燃えない気持ちを持ちながらも、素晴らしい大会の空気に少し気持ちが和らいだことが、とても救いだった。関係者の方々に感謝。