金沢・梅雨の候も仕舞い方なのだけど,小雨の犀川沿いを走る


真っ直ぐな濡れた路面に映る空をみていると,犀奥めがけていつまでも走っていたい,と思った.事実,気がつくと橋一つ分余分に走ってしまった.
---------------------

いつだったか,「独りで暮らしていると,考えが閉路にはいり,いつまでも同じ路を歩いているような錯覚に陥ることがある.歯止めがかかりにくいのだ.昼間の仕事も過半の時 間は独りだから,そんな感覚がある.」と書いた.やはり時折,気持ちがナニかに捕らわれるような感覚があって,櫻の候は櫻,満月の頃は月,梅雨の候は蒸せる大気,に夢中になってしまう.その挙げ句,疲れ果てるのだから馬鹿げていると思うのだけど仕方がない.「金沢に憑かれた」とうそぶいているうちはいいのだけど,大門山でブナの森で舞い上がってから2週間,梅雨も仕舞い方になってきて随分疲れてきたような気がする.



昨日・今日,朝早く,犀川沿いに10kmくらい走った.気分を変えたかったし,雨の犀川がとても気になったので.
 雨後の混濁した犀川の流れははやく,
    流れとともに下流へ走ると,川から冷気を孕んだ風をぶつけられ気持ちよく,
    流れに逆らって上流へ走ると,大気の動きが止まり,澱んだ暑気のなかにあり,
 空に溢れる雲がつくる銀色のグラデュエーションに浮かぶ逆光の人影を眺め,
 沸く雲の彼方に鼎立する犀奥の峰から流れだす水流はほとばしり,
 法島のあたりの見知らぬ坂に招かれ上る,
ような時間を過ごした.


犀川を豆田や若宮大橋あたりまで下ると,金沢の中心地は掌に乗るぐらいに小さくなって,白山から北に伸びる山々の懐にある可愛い箱庭であることが良くわかる.その先には犀奥の山々...

結局,走って気分を変えようと思ったのだけど,まあ何といおうか.

上菊橋から法島をみると川面が煙っている

小雨が降っていたのだけど,不思議な空のグラデュエーション

辻家住宅前にはまだ紫陽花が何とか..